海外に行ったら自由になれる、しかし経済的にも自由になれるだろうと自信を持って言える人はどれだけいるでしょうか。 お金に関することで海外留学に踏み切るかどうかの岐路に立っている人には是非このページを読んで欲しいです。 今自分の頭でしっかりと海外でお金を稼ぐことについて考えて、それによって海外留学をあなたの豊かな人生経験の一部にしようと望んでいるのなら、今すべき準備の優先順位を決めるのにきっと役に立つでしょう。

  • 第1部 最低賃金について
  • 第2部 目指せ!ローカルジョブ
  • 第3部 人と人を繋ぐのは人
  • まとめ
  • 参考記事

第1部・最低賃金について

オーストラリアに留学した日本の殆どの方は最低賃金が保証されているアルバイトに就けるグループか、それよりも少し低いものに就くグループ、あるいは最低賃金をだいぶ下回る仕事にしか就けないグループのどれかに属します。どこに属せるかは第2部以降で説明するとして、ここでは収入事情を見ていきましょう。ありがたいことにオーストラリアの最低賃金は近年上昇傾向です。週間平均賃金は5年前と比べて100ドルも上昇し2016年現在では656.9ドルになり(1)、今後も上昇傾向が続き2020年には760ドルまで上がる見込みです。また、最低時給は2016年6月5日現在では17.29ドルであると公表されていますが(2)、毎年7月1日にFair Work Commissionという団体により見直しがされるため(3)、今年の7月には2.4パーセント引き上げられ$17.29になることが発表がされています (4)。 オーストラリアの賃金が高いと思うのも無理はなく、時間あたりの財布の潤いは世界最高レベルになっているためです。(5)

↑オーストラリアの経済は潤っている

ここまで読んでオーストラリアの最低賃金が上がっている状況に喜んでいる方は多いかもしれません。しかし最低賃金の上昇は同時に物価高も意味しています。例えば物価の高さを測る有名な指標、CPI (消費者物価指数)を調べてみると2016年では85ポイントであったのに対して2016年では108ポイントまで一直線で上昇しています(6)。2020年には更に10ポイント上昇して119ポイントに到達することが予想されています (7)。これの意味していることは最低賃金分をもらえていない人は生活に行き詰まり勉強どころではなくなってしまうかもしれない点です。尤も1年程度の短期間の留学を計画している方にとっては物価高の影響は小さくなりその影響は無視できますが、2年以上の長期の留学を計画されている方には物価高の上昇に見合った給料をもらうことは重要になってきます。最低賃金額を大幅に下回る給料で働いている人はますます生活が苦しくなり、最低給料以上の給料をもらえる人はますます豊かになれると言えるでしょう。 次の項目からオーストラリアの仕事の探し方を見ていきましょう。良い仕事を得ることは決して楽な道のりではないかもしれませんが、最後に行き着く生活レベルを思えば今のうちから考えておく価値は十分あるといえるでしょう。

第2部・目指せ!ローカルジョブ

オーストラリアでアルバイトを探す上で大事な用語を先におさえておきましょう。

  • ローカルジョブ
  • ジャパレス
  • キャッシュジョブ

ローカルジョブ とはオーストラリア人と同様の待遇が見込め、現地の高給与水準の恩恵を受けられる仕事のことです。従って最低賃金額を貰えることが期待できる仕事のことです。

ジャパレス とは日本食レストランの意味でオーストラリア人同様の待遇が見込めるレストランもある一方そうでないレストランも残念ながら存在します。

キャッシュジョブ とは銀行口座振り込みではなく現金で給料を貰える仕事のことです。

それではこの3つのレンズを通してオーストラリアの仕事について見ていきましょう。 給料額から見た理想の仕事はローカルジョブです。最低賃金がもらえることが法律で認められています。留学される日本の皆様が一番手にしやすいローカルジョブはオーナーがオーストラリア人のレストランでの仕事であると思われます。しかしローカルジョブを手に入れられる門は狭くごく小数の人しか手にすることができません。一番大きな理由としては英語が母国語水準に達していない留学生を雇うよりも現地人を雇ったほうが業務がスムーズに進むことが挙げられるでしょう。従ってローカルジョブを手に入れ豊かな留学生活を送るためにはオーストラリア人と対等に話せるだけの英語力が求められます。但し、英語力がそれほどなくても特殊な技能に頼れる職種、例えばデザインやプログラミングなどはその分野の知識に卓越していればローカルジョブにありつく確率はグッと上がるでしょう。

例えローカルジョブにつけなくても、最低賃金分を払ってくれる良心的な日本食レストランでの仕事が見つかれば留学中の生活費で特に困ることはないでしょう。しかし中には日本食レストランに限らず最低賃金分を払ってくれないレストランもあるのでアルバイト先選びは慎重に行うべきです。 そう聞いて最低賃金を支払わないレストランは違法で、本来存在することができないと思う方も居られるかもしれません。しかしそのような職場はなかなか減りません。その主な理由がキャッシュジョブという形態の仕事です。通常給料は銀行口座を通して従業員に振り込まれますが、銀行口座を介さずに現金の手渡しで給料を支払うことで給料の支払い記録を残さないことができます。つまりそこで働いているのに雇用記録上働いていないことになっているのです。言い換えれば店側は従業員をいつでも解雇できそこで働いていなかったことにもできるので従業員は低賃金で店側の言いなりになって否応なしに働くことが多いです。こうすることで店側は違法な賃金体系のまま従業員を雇い人件費を削減することができます。他人事に聞こえるかもしれませんが、どうしても他に仕事が見つからず食べるためにどんな仕事でも欲しくて仕方ない状態に陥った時に自分事に変わります。つまり食べ物を手にするために、食い物になるというわけです。

↑口から出せる英語の量が入ってくるお金の量を変えてしまう

ここまで読んでキャッシュジョブとローカルジョブの待遇の違いは天と地の開きがあることがお分かりいただいたと思います。この開き具合を決めるのは、あなたの英語力です。オーストラリアで暮らしていく上で英語力を身につけることは喫緊の課題ですので早めに英語力を付けておきましょう。当校では快適な海外暮らしを目指して英語力を高めるコースを準備しておりますので是非一度ご覧になってください。

第3部・人と人を繋ぐのは人

ローカルジョブ獲得に向けて行うことは前述の英語力の強化に加えて、ネットワーク作りと面接練習が挙げられます。 初めにネットワーク作りについてです。日本で生活してきた私達にとって、求職活動といえば求人誌やオンラインの求人票に対して履歴書を送ることから始まるイメージが強いのではないでしょうか。オーストラリアでもこのようなスタイルの求職活動は存在しますが、この日本流の求職活動を行っている限りはローカルジョブにありつける確率は低いといえるでしょう。その理由として優れた求人はあまり公開されていないことが挙げられます。オーストラリアでは優れた求人は人伝てに流れていきます。例えば、オーストラリア人オーナーのレストランでの求人情報はそこの従業員と知り合うことで入手することができます。従って多くの人と知り合い顔を広く保つこと、つまりネットワーク作りが欠かせません。地元の人と仲良くなるにはどうするか。人と人を繋ぐのが言葉である以上やはり英語力の向上も大事ですが、手と手をガッシリ繋ぐ強い握手ができる等、英語圏の非言語的な対人スキルの向上もあなたの生活の糸を繋いでいくのです。

↑オーストラリア人は強い握手を好みます。英語圏の対人スキルは語彙以上に物を言います。

次に面接練習です。せっかくネットワーク作りに励みその結果として面接のチャンスが舞い込んだとしても面接で舞い上がったり、うまく自分を表現できなかったりして採用を見送られては詰めの甘さが露呈してしまいます。もったいないです。面接の段階では英語も大事ですが面接の作法も同様に重要です。日本では日本流の面接の作法があり、英語圏では英語圏での面接の作法があります。面接のマナーを確実に抑えることで仕事が得られる可能性もより確実になります。当校では面接の練習の機会と、面接練習室を備えております。当校ではあなたの留学生活を少しでも豊かにしたいと思いそのような機会を設けておりますので積極的にご利用ください。併せて当校では他の求職関連サポートも行っておりますのでこちらのページも是非一度ご覧になってください。

まとめ

  • ローカルジョブを手に入れるために英語力の底上げをしよう。
  • ネットワークづくりに励みローカルの仕事を手に入れる確率を上げよう。
  • 英語圏の対人スキルや求職活動のマナーをおさえておこう。

参考記事

(1) http://tradingeconomics.jp/australia/minimum-wages (2)http://www.tradingeconomics.com/australia/minimum-wages/forecast (3)https://www.fairwork.gov.au/how-we-will-help/templates-and-guides/fact-sheets/minimum-workplace-entitlements/minimum-wages (4)https://www.fairwork.gov.au/about-us/news-and-media-releases/website-news/get-set-for-a-2-4-wage-increase-2016-annual-wage-review (5)http://money.cnn.com/2015/05/14/pf/minimum-wage-countries-australia/ (6)http://tradingeconomics.jp/australia/consumer-price-index-cpi/forecast (7)http://www.tradingeconomics.com/australia/forecast 税額分を減じてUSドルに換算。